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事件番号 昭和41(行ツ)65
法廷名 最高裁判所第三小法廷判決
裁判年月日 昭和43年12月24日
事件名
判示事項
裁判要旨 本条(旧商法二五八条)により取締役または監査役としての従前の権利義務を有する場合には、その退任の登記をすべきではない。 主 文
棄却 理 由 原判決には商業登記についての解釈を誤つた違法があり、また、大審院の判例に違反している、という。 商法一八八条二項、三項、六七条によれば、株式会社の取締役または監査役の辞任は登記事項の変更に当たり、会社はその登記をしなければならないことはいうまでもない。しかし、商法二五八条一項、二八〇条によれば、法律または定款に定めた取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合においては、任期満了または辞任によつて退任した取締役または監査役は、新たに選任された取締役または監査役の就任するまでなお取締役または監査役の権利義務を有するのであるから、このような者については、退任による変更登記をしたままにしておくことは取引の安全の見地からみて適当なことではなく、退任者がなお取締役または監査役の権利義務を有することを登記公示することが必要であると解せられる。しかるに、法律においては、この特別な場合に関する登記公示について明文の規定を欠いているので、このような場合には、取締役または監査役の権利義務を有する退任者につき、登記簿上なお取締役または監査役の登記を存続させておくべきものと解することは前叙の見地からして合理的理由があるというべきである。従つて、取締役または監査役の任期満了または辞任による退任があつても、商法二五八条一項の適応または準用をみる場合においては、いまだ同法六七条に定める登記事項の変更を生じないと解するのが相当である。そして、以上のように解することは、利害関係人や一般公衆に対し取引上重要な事項を知らしめて不測の損害を防止することを目的とする商業登記制度の趣旨にもとるものではない。ところで、商業登記制度は登記事項についての法律関係当事者の利益のために存するものであることは所論のとおりであるが、前記二五八条一項所定の権利義務関係は退任による登記の有無に関係なく存続するものであること、そのような地位にある者について登記公示する必要があること等を併せ考えれば、上告人らがいま直ちに辞任による登記を受けることができないとしても、現行商業登記制度上やむをえないところである。原判決の確定したところによれば、訴外株式会社高橋商店においては、上告人らの同時の辞任により、取締役、監査役とも法律に定める員数を欠き、後任者の選任がされていない、というのであるから、前記商法二五八条一項の適用または準用がある場合にあたり、従つて、いまだ登記事項に変更がないと解し、本件登記申請を却下するのが相当であるとした原判決の判断は正当として首肯することができる。なお、所論引用の大審院判例は、この点については、前述したところからしてこれを変更すべきものである。 昭和四三年一二月二四日 最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 横 田 正 俊 ※この判例の紹介は、著作権法第13条3号に基づき法律上正当なものです。 更新日07/08/25 |
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